
焼肉店の倒産が倍増、過去最多に 輸入牛肉や野菜の高騰が直撃
コスト増加と値上げの難しさが小規模焼肉店に打撃
2024年、焼肉店の倒産が年間最多を更新しました。9月までに倒産した焼肉店は39件に上り、2023年の同期間(16件)から倍増しています。また、すでに2019年の通年倒産件数を上回っており、焼肉業界は厳しい状況に直面しています。特に、個人経営の小規模店が苦境に立たされており、市場から退出する店舗が相次いでいます。
焼肉業界が直面している問題の一つは、食材の価格が軒並み高騰しているにもかかわらず、メニュー価格の大幅な引き上げが難しいことです。輸入牛肉の価格は円安などの影響で2020年比1.7倍に上昇し、さらにキャベツなどの野菜も1.3倍に値上がりしています。私たち消費者にとっても、これまで気軽に楽しめた焼肉がどんどん遠い存在になりつつあります。
また、節約志向が強まる中で、焼肉の高単価メニューは値上げがしづらく、大手チェーン店と個人経営店の格差が広がっています。大量仕入れによってコストを抑えることができる大手チェーンは、比較的安定した経営を維持していますが、コスト競争に耐えられない小規模店は次々と倒産に追い込まれているのが現状です。
電気代や人件費などの運営コストの負担も加わり、今後も厳しい経営環境が続くと予想されます。2024年内には、焼肉店の倒産件数が50件を超える可能性もあり、業界全体での危機感が高まっています。焼肉店の経営者にとっては、どのようにしてこの難局を乗り越えるかが今後の大きな課題となるでしょう。
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