外国人ドライバーが日本で活躍中、試験多言語化で門戸拡大も課題山積

日本国内での外国人ドライバーの数が増加しています。運転免許の学科試験の多言語化が進められる中で、日本国内の運送・旅客業界は深刻な人手不足の解消に期待を寄せています。しかし、実際には免許取得後の研修やコミュニケーションの壁など、さまざまな課題が依然として残しています。

日本での運転免許取得に苦労する外国人

ブラジル出身のタクシー運転手、田畑ダニエレさん（44）は、16回目の受験でようやく2種免許を取得しました。田畑さんは26年前に来日し、介護などの仕事を経てタクシー運転手となりましたが、免許取得までには長い道のりがありました。彼女のように、日本語の日常会話は問題なくても、専門的な言葉が使われる学科試験は外国人にとって大きな壁となっています。

田畑さんが勤務するフジタクシーグループ（名古屋市）では、運転手の人手不足を背景に外国人を積極的に採用しています。新型コロナウイルスの影響で運転手数が減少する中で、現在約40人の外国人ドライバーが在籍していますが、日本語の試験を一度で合格する外国人はほとんどいないといいます。

外国語での試験が可能に、しかし課題は山積

昨年12月、警察庁は2種免許の学科試験を外国語で受験できるように制度を改正しました。現在では、英語を含む20言語での受験が可能となり、多様な外国人ドライバーの参入を期待されています。さらに、政府は外国人労働者を中長期的に受け入れる在留資格「特定技能1号」の対象に、自動車運送業を追加しました。これにより、バス、タクシー、トラックの運転手として働く外国人の数が増えることが見込まれています。

しかし、外国人ドライバーの増加がすぐに人手不足解消につながるかどうかは不透明です。名古屋大学の加藤博和教授は「各事業者が外国人ドライバーの研修体制を整えることは負担が大きい。業界全体で外国人労働力を活用する取り組みが必要だ」と指摘しています。特に、免許取得後には、日本の法令や地理の理解、接客技術の習得が求められ、これがさらなる障壁となっています。

外国人ドライバーが日本で守るべき交通法規

日本で活躍する外国人ドライバーは、日本の交通法規をしっかりと理解し遵守することが求められます。特に、2023年12月から施行された新しい道路交通法では、全ての商用車に対して運転前のアルコールチェックが義務化されています。この改正は、交通安全の強化を目的としており、飲酒運転の撲滅に向けた重要な一歩となっています。

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