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8月の実質消費支出が1.9%減、物価高と人手不足による倒産ラッシュの影響が深刻化

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8月の実質消費支出が1.9%減、物価高と人手不足による倒産ラッシュの影響が深刻化

総務省のデーターにより、今年8月の実質消費支出が前年同月比で1.9%減少し、2カ月ぶりにマイナスに転じました。総務省の発表によれば、台風の影響や南海トラフ地震臨時情報の発令による消費行動の抑制が大きな要因とされていますが、背景にはより深刻な問題が横たわっています。それは、物価高騰や人手不足が引き起こす倒産ラッシュです。
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飲食店業界の危機感

ここ数カ月で、ラーメン店や焼肉店、さらには小規模な飲食店が相次いで倒産しているニュースが報じられています。物価上昇の波は特に外食産業に直撃しており、原材料費や光熱費の高騰が続いています。特に、輸入牛肉や野菜の値上がりが経営に大きな打撃を与えており、メニューの値上げが難しい小規模店が倒産に追い込まれています。

例えば、焼肉店では牛肉やキャベツなどの食材価格が1.7倍から1.3倍に上昇し、ラーメン店では麺やチャーシューのコストも高騰しています。しかしながら、顧客離れを防ぐための価格転嫁が難しく、結果として多くの店が経営を維持できなくなっています。2024年に入ってから、飲食店の倒産件数は前年同期比で大幅に増加しており、この傾向は止まる気配がありません。

小規模食品店の苦境

また、漬物店や小食品店など、家庭向けの商品を扱う店舗も厳しい状況にあります。食料品全体では8月に2.6%の増加が見られましたが、これは米やカップ麺の購入が増えたためで、野菜や肉類の購入点数が減少していることからも、消費者の節約志向が一層強まっていることが分かります。特に、米は8月に34.5%もの価格上昇を記録し、これが備蓄用の需要増加にも影響を与えています。

しかし、小規模な食品店では、これらのコスト上昇を吸収する余地がほとんどなく、利益率が圧迫されています。特に、節約志向が強まり、外食よりも自宅での食事が増える一方で、消費者はより安価な食品にシフトしているため、品質や手作りを売りにしている店舗はさらなる苦境に立たされています。

人手不足と経営困難の連鎖

さらに、外食産業や小規模店が直面するもう一つの大きな問題が人手不足です。コロナ禍を経て、飲食業界全体での労働力不足が深刻化し、雇用コストが上昇していますが、従業員確保のための賃上げが難しい店舗は次々と倒産に追い込まれています。人手不足によって営業日数を減らさざるを得ない状況に追い込まれた店も多く、結果的に売上が減少し、経営が成り立たなくなるケースが目立ちます。

このような背景から、ラーメン店や焼肉店をはじめとする多くの飲食店や小規模食品店が次々と市場から退出しており、今後もこの状況は続くとみられます。節約志向が続く消費者の行動が、これらの業界にさらなる打撃を与える中、業界全体としてどのように立ち直るのかが問われています。

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