
「内定辞退」に企業が頭を悩ませる10月、内定式後の辞退も急増中で早期対応が鍵に
毎年10月、各企業で内定式が行われ、来春卒業予定の大学生や院生が一堂に集まる季節となりました。しかし、内定式の前後に企業が直面する大きな問題が「内定辞退」です。多くの企業は6月頃に内々定を出し、夏頃には学生から内定承諾の返事を受け取るものの、10月が近づくと内定辞退の連絡が増加する傾向があります。
特に、他の企業の魅力に気付いた学生や、複数の企業に内定を承諾した後、最終的にどの企業に進むか決断する学生が増えている状況が見られます。中には、内定式に参加してから辞退を決める学生もおり、企業側としては予期しない辞退に頭を悩ませています。
学生の内定辞退は増加傾向
調査によると、昨年の10月時点で「内定承諾後に辞退したことがある」という学生は4人に1人にのぼり、年々その割合が増加しています。内定を承諾した後でも他の企業への魅力を感じ、辞退を決断する学生が増えていることがうかがえます。
一方で、内定辞退に対する学生の心理的負担も大きく、約85%の学生が「辞退には抵抗を感じた」と答えています。しかし、中には「懇親会などを通じて会社の悪い面が見え、辞退に抵抗はなかった」と答える学生も少なくありません。
企業側の対応と工夫
企業側は、内定式や懇親会を通じて学生の士気を高め、入社への意欲を引き出すためにさまざまな工夫を凝らしています。仕事内容の説明や社員との交流を深める場を設け、内定者にとって企業が魅力的な場所であると感じてもらうことが重要とされています。特に、配属や仕事内容の具体的な説明を行い、入社後のビジョンを明確にすることが、内定辞退を防ぐ手立ての一つです。
しかしながら、学生が内定を辞退した場合、企業側は急遽採用活動を再開しなければならないケースもあります。特に、採用人数が少ない企業や配属がすでに決まっている場合、内定辞退は大きな痛手となります。企業にとって内定辞退は予測できない出来事であり、採用計画に大きな影響を与えます。
内定辞退は学生にとっても新たなチャンスに
一方で、内定辞退が出たタイミングは、まだ就職活動を継続中の学生にとってはチャンスでもあります。企業が再び募集を開始することで、新たな機会が生まれることもあります。もし気になる企業が再び募集を行っているのであれば、今一度その企業について調べ直し、応募する価値があるかもしれません。
就職活動は、学生にとって大きな人生の選択です。しかし、企業に対して迅速に辞退の意思を伝えることも、社会に出るための第一歩として重要です。内定辞退が企業と学生双方にとって有意義な形で進むことが望まれます。
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